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春の魚

春の魚は、冬の重みをほどいたあとの明るさを持っています。海が少し軽くなり、湾の光が増え、 人の会話も少し浮き立つ。初物、発光、小さな透明感、やわらかな青。春は魚が“始まりの顔”を見せる季節です。 とくに富山湾のホタルイカやシロエビ、そして初鰹の勢いは、春の魚文化をいちばんよく表しています。

初物ホタルイカシロエビ初鰹

季の一句

湾ひかり
冬をほどいて
魚立つ

Bay light opens wide—
loosening the grip of winter,
the fish begin to rise.

How spring feels

春の魚は、“始まり方”がきれいです

春の魚文化の面白さは、味だけではありません。まず空気が先に変わります。冬の白さや重さが少しゆるみ、 海がやわらかい明るさを持ち始める。すると魚の話題も変わります。寒さをしのぐ魚から、 “今年も来たね”と迎える魚へ。そこに春独特の感情があります。

春は、魚が少しロマンチックになる季節でもあります。ホタルイカの発光、初鰹の初物感、シロエビの透明感。 食べものの話をしているはずなのに、どうしても湾の光や港の朝の話までしたくなる。だから春の魚は、 ただ旬というより“場面”で覚えられるのです。

Spring species

春に読みたい魚たち

ホタルイカ

ホタルイカ

春の富山湾を象徴する小さなスター。発光と旅情の魚介です。

カツオ

カツオ

初鰹の勢い。春から初夏へ走り出す、季節の先頭魚です。

シロエビ

シロエビ

小さく、透けていて、上品。春の海のやわらかさを食べるような存在です。

Grandpa Hiro ならこう言う

「春の魚ってな、うまいだけじゃなくて“また来たか”って気持ちが一緒に来るんだよ。 ホタルイカなんて、食べてるのか、春を見てるのか、途中でわからなくなるんだ。」