How autumn feels
秋の魚は、味より先に気分が来ます
秋の魚の話になると、人は急に魚そのもの以外のことを話し始めます。炭火、七輪、港町、夕方、涼しい風、そして帰り道。 つまり秋の魚は、味覚だけでなく気分の魚なのです。サンマがその代表ですが、 秋の魚文化全体に、そうした“少しもの悲しくてうまい”空気があります。
それは決して弱い意味ではありません。むしろ、秋は魚がいちばん記憶に残る季節かもしれません。 春は始まり、夏は体力、冬は本気。でも秋は、魚が風景と一緒に頭に残る。だから秋の魚文化は、 食べもののページなのに少し文学っぽくなりやすいのです。