瀬戸内は、“育てる海”の文化です
日本の海の幸の話をするとき、つい大きな外洋や厳しい冬の海に目が向きます。けれど瀬戸内は別の価値を持っています。 ここでは、海の荒々しさよりも、海と人の距離が近いことが重要です。湾の奥、島のあいだ、港のすぐ先に、 海の仕事と海の食卓がそのままつながっている。
牡蠣のいかだが並び、白い小さな船が行き来し、海の色はどこかやさしい。魚や貝が“生活のなかの海産物”として息づいています。 それは派手なスター性ではありませんが、とても日本的な豊かさです。瀬戸内の魚は、食べたあとに静かに好きになるタイプが多い。